『ドラゴンボール』の特異点

ドラゴンボールの作者として有名な鳥山明先生が亡くなった、というニュースが飛び込んできた。

 

ドラゴンボール

 

私がこの作品と出会ったのは小学校低学年の時期で、ジャンプ連載完結からおよそ10年経ったときだった。

児童館でコロコロを楽しみに読んでいた私が、少年漫画への入口となったのは間違いなくドラゴンボールだった。そして、そういった読者は日本に数多くいるだろう。

 

その事実だけですごいよね。

 

ドラゴンボールは、現在ヒットしている他の少年/青年漫画と明らかに異なると考えてる。それは圧倒的に思想を欠いている点である。

いまパッと、ヒットしてる漫画を思い浮かべてみると、何らかの思想や作者が伝えたいであろうことをおそらく汲み取ることができると思う。

しかし、ドラゴンボールではそれが出来ない。ドラゴンボールを実際に読んでいても、人生や世界について何か考えさせられるなんてことはなかった。ただただ純粋にワクワクさせてくれる面白いものであった。

 

おそらく、こういったことが要因で、全世界かつ多くの子どもに愛されるのだろう。

読んでると現実を忘れるし、読み終わった後も特に現実に引き付けて何かを思うことはない。本当にピュアな漫画世界を楽しめる。

 

大人になるにつれて、作者の主張や普遍的なテーマを感じる作品が好きになったし、現在ヒットしてる漫画作品はもれなくそれらが詰まってる。

これを見て思うに、純粋な「少年」漫画はドラゴンボールで終わったのだと思う。思想や現実社会から解き放たれた漫画世界はドラゴンボールで完成された、と言って良いとすら思う。

 

他にも思うところはあるけれど、とりあえずこんなところで。

 

特にカルチャー史に詳しいわけでもなく調べたわけでもないので、思いつきで書いただけです。